近未来の監視社会の実態を見たいのであれば。チベットの拉薩に行くのが一番いい。
街のいたる所に公安監視所がある。チベット人が多く住み信者や観光客が集まる、古城区域内はトイレも多いが、トイレよりもたくさんの公安監視所がある。100メートルも歩けばすぐに監視所、それぞれのブロックごとにある感じだ。これは観光客を監視しているというよりも、それぞれのブロックの住人たちの出入りを監視しているという。
とくに青海省や四川省など他地域からのチベット人や、ウイグル人の移入に対してはとても厳しいようだ。イギリスやアメリカ国籍の白人に対しても警戒しており、外国人にも入境制限がある。そもそも、すべての外国人はあらかじめ入境証をとらなければチベットには入れない。
路地のいたるところに監視カメラが設置されており、信仰の中心である大昭寺の周辺の歩道に入るためには、そのつど空港のように荷物のレントゲン検査と金属探知機の検査を受けなければならない。
ラサ市内であれば、だれがいつどこに行ったか、どこにいるか、公安は簡単に把握できるという。観光客は必ずガイドをつけ、毎日行き先の届け出が必要だ。実際には監視の目はそこまで厳しくないが、もし違反していることがわかると、ガイドや旅行会社は免許を剥奪される。住人も、だれがどこに住んでいるか定期的な届け出が必要で、登録されていない人を泊めていると告発される。
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